妄想に生かされる
俺は、自分語りが好きだ。
けれど、口下手なのと人付き合いが不得手なので、あまり自分のプライベートを他人に打ち明けることがない。
人の話を聞き、口にはしないが心の中ではああだこうだ言いながら生きている。言いたいことは沢山ある。常に何かを考えている。妄想と呼ぶのが正しいと思う。俺は常に妄想をしながら生きている。
だから少し、好きなように文字にしていってみようと思い立った。物語でもなく、ツイッターでもなく、ただただ思ったこと感じたことを文にして、自分を客観的に見てみようと。
もしかしたら俺と同じ考えの人がいるかもしれないし、俺のことを知って何かしら思う人がいるかもしれないし、そういうことを知るのにはブログって丁度いいのかもしれないと思ったりした。
俺はいわゆる、セクシャルマイノリティ、性的少数者に分類される人間である。
生まれもった肉体の性別は女。性自認は男。恋愛対象は女性。今流行りのLGBTでいうとT。自分が「異常」だと気付いて10年以上になる。
そして、俺は腐っている。寧ろ腐ったものしか食べられない。BLとGLは好きだが、NLは嫌いだ。大嫌いだ。
詳しく言うと「互いに愛し愛され結ばれることが前提とされ誰一人としてそれに疑問を抱かないNL」が嫌いだ。多分これには、俺が実生活で感じた、性的少数者が生き難い社会への不満が投影されてしまっている。確実に。
まあ、別に嫌いなものに対して語りたいことなどほとんどないし、NLが好きでBLGLが嫌いな人を否定したい気持ちもない。住み分けは大事。言いたいことはこんなことじゃない。
誰かが「BL趣味は現実逃避だ」みたいなことを言っているのを見たことがあるが、それを肯定するか否定するかは別として、俺にとっての現実逃避の方法こそBLだった。
小5で女友達が貸してくれた、某少年漫画の二次創作アンソロを読んだところから腐人生が始まり、己で自CPを作るようになり、創作にハマり……
それから毎日、BLのことを考えない日はなかった。比喩ではなく、本当に。毎日毎日、BLのことばかり考えてきた。
(ちなみにBL布教してきた女友達が実はバイだと中1のとき知り大いに戸惑った。世界は狭い)
現実がクソみたいなことで溢れていても、空想の世界でBLを摂取しさえすれぱ活力が湧いてきた。
現実では有り得ないからこそ、存分にファンタジーに溺れ、楽しいことだけを妄想し続けてきた。
妄想こそが俺を生かしてくれた。俺にとってBLとは食物、いや呼吸に等しい。無いと生きていけない。比喩ではなく。
俺は自分の趣味に誇りを持っている。俺の親愛なる我が子達、創作キャラ達を愛している。そして、彼らを「どうにかしてやろう」というよりは「行く末を見届けたい」と願いつつ、日々一文字ずつでも彼らの生き様を文字に残していこうと思っている。
「ゲイです!BL好きです!」という人は結構聞くが、ゲイだからどうのこうの、ビアンだからどうのこうの、じゃなくて、好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、人それぞれでよくないかと思う。
俺はこんな人間で、BLが好きで、日々BLに生きる気力を貰っている。いつまで続くかわからないけれど、力の続く限りは、彼らの幸せを妄想し続けたい。
現実逃避しなきゃやってられないことで溢れてる社会が悪い、とか言い訳しながら、俺は今日も妄想に生かされていく。