妄想に生かされる

自分語り、BL、創作、性癖などを置いていく場所

【急募】恋愛の始め方

 今日は1ヶ月~2ヶ月に一度の「面談」の日だった。

 

 何の面談かというと、休職中からお世話になっている、若者支援団体の相談員との面談だ。仕事を探さないといけないけどあてがなく、藁にもすがる思いで足を運んだのがきっかけで、就職した後も通い続けて3年ほどになる。

 途中で担当が変わったりもしたが、今の担当の方は県内で性的少数者を支援する団体に所属している方なので、仕事や個人的な話だけでなく、改名の手続きやカムアウトした上での就職の相談にも親身になってくれた。

 しかもその方もBL愛好家なので、趣味の話もできる。わりと雑談だけで面談の時間が終わることも多々ある。楽しい。

 

 就職の話や改名についてはまた後日まとめます(多分)。

 

・・・

 

 その面談で、今日は「オンラインでの恋愛ってどう思います?」と聞かれたのが発端で、俺は昔の黒歴史やらクソ寒い恋愛観などをこんこんと語った……

 後から思い出すとめっちゃ恥ずい。明らかに話さなくていいことも喋った。まあいいか、過ぎたことだし。

 

 俺ももう20代後半に差し掛かり、もう若くねえなぁと思いつつ、最近独り身の寂しさや将来の虚しさを考えている。別に結婚したい! とか子供欲しい! とかはまったく思わないが、楽しさや悲しさを共有できる人がいないというのも……って感じ。

 恋人いない歴=年齢のクソ陰キャオタクなので恋人どころか恋愛もまともにしたことがないのだが、聞けば「恋愛の仕方がわからない」というのはLGBTなどの中でもよくある悩みらしい。別にLGBTに限ったことじゃないだろうが……

 

 俺はどうやら恋愛は「始める」ものではなく「気づけば始まるもの」という認識を捨てきれないらしい。

 いや……わかってる。ロマンチストなんて聞こえが良すぎる。

 しかし「始める」というと、どうしても無理をしないといけないとか、どこかで妥協しなければいけないとか、相手に合わせるものだとか、ネガティブなイメージしかなくて、それは絶対俺には無理だなと思ってしまう。

 

 あとは、最近多い相談に「フィクトセクシュアル(架空のキャラクターを恋愛対象とする性的指向かもしれない」というものがあるらしい。

 まあこれだけネットやサブカル文化が一般化してきて、かつ若い子は年寄りよりも馴染み深いから、そういうのもアリかぁ……と。

 

 つい先日、キャラクターとの結婚証明書を発行してくれるというサービスをちらっと見かけたのでその話もしたが、個人的にはそういうサービスには肯定的意見だが……自分は多分使わない。

 たとえばその相手が初音ミクのような、実物(音楽ソフト)があって買い手のイメージに委ねられて、曲をあげたり歌わせたり自由に自分だけの人物像を作り上げられるとか……

 ぬいぐるみのような、実際に触れる上に共に過ごした時間があって、同じ型でも決して同じ存在はないような愛着の湧きやすいものとか……

 そういう存在となら結婚もアリじゃないかと思うが、対してゲームや漫画のキャラクターは、どんなに頑張っても実際に手にすることはできず、姿も台詞もテンプレしかない。

 こちらが何をイメージしてもそれは二次創作、妄想でしかない……そう考えると虚しい気がするのだ。

 しかもそのキャラを好きなのは自分だけじゃない。世界中にきっと数え切れないほどいる。もしかしたらすでに結婚証明書を発行しているかもしれない。そしたら重婚じゃん…………

 どんなに自分が相手を好きでも、相手が現実の自分を好きになってくれることなどあり得ないし。

 やっぱり、自分だけを見てほしいというところは、ある。

 

 見たのはこのサイト↓

次元局 | キャラ愛・結婚証明書の発行

 よくよく見たらLGBTQ+の結婚証明書も出してくれるらしいです。それはちょっとかなり興味あるな。

 

 色々と熱が入り話すうち、相談員の方から「悠人(俺)さんは相手の合意をちゃんと取ってから交際したいタイプなんですね。そのうえで相手に合わせようとしちゃう」「押しに弱そう」とか言われて、なんか恥ずかしかった。融通きかないクソ人間ですみません。押しには弱いです、ハイ。

 

 いや、でも俺もそろそろパートナー探さないといけないかなぁと思いつつ、恋愛の仕方もわからなければいわゆるマッチングとかも怖くて手を出せていない。

 結局条件を絞った上で気の合う人を探すのが、一番の近道なのかもしれない。俺の場合、その前に人間不信やらコミュ障を直さなきゃお話にならないが。

 「恋愛の始め方」ってなんやねん。知らねーわ。BLでならいくらでも書けるのになぁ。

 

 「まず条件しぼって登録してみたらどうですか」と言われたので、気が向いたら……するかもしれない……かな?

「CODE VEIN」とかいう神ゲー


 最近ハマっているゲームを紹介する。

  それはこちら、【CODE VEIN】というゲーム。ジャンルとしてはアクションRPG、ハードはPS4XboxやSteamでもできる。

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 そもそも俺は世間一般からするとゲーマーの部類に入るが、そこまで色んなゲームに手を出している訳でもないし、わりと有名どころを広く浅くプレイしている感じだ。腕もそこまでない。ただ父がゲーム好きで幼い頃から家にSFCやPSがあったので、家庭用ビデオゲームに馴染みが深く家族や友達と遊んでいた。ちなみに小学生のときに初代DSが出たが、しばらく友達のを貸してもらってやるだけだった。今でもソシャゲよりコンシューマーゲームのほうが好きなのはそういう環境だったことに端を発しているのかもしれない。

 そしてやるジャンルはRPGが多く、アクションなんかは食わず嫌いであまりやってこなかった。自分はゲームはストーリーを楽しみたく、比較的手腕を必要とされないほうが楽だから。

 このタイトルを知ったのはキャラクリゲーを求め探していたときのこと。自分は版権キャラより自創作キャラに愛着が湧くタイプなので、操作キャラクターを好きに作れるゲームが好きなのだが、大体そういうゲームってリアルなタッチであまり好きじゃないし、ゲームのジャンルも苦手なものが多い。そんな中でこのCODEVEINはキャラクリの自由度が高いというのに合わせ、アニメ調なタッチなのがとても好感触だった。なのでゲームの内容はとりあえず置いといてキャラクリだけを目当てに購入を決めた。

 

 いざキャラクリ。このゲームは主人公1人だけをキャラクリし、そのキャラを操作して物語を進めていくらしい。 雹2号家自創作の中で物語の主人公として相応しいキャラといえば……

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 こいつしかいない。

 こいつは自創作の中でも少し特殊な生まれ方をしたキャラクターである。ファイアーエムブレムという、今ではそこそこ有名なSRPGシリーズタイトルがある。俺はこのゲームが幼少期からものすごく好きなのだが、昔Twitterの企画で「もしファイアーエムブレムの世界に自分が入り込んだら」という設定でキャラを作るというのがTL上で流行った。そこで俺が作ったキャラこそ彼、「テンナ」だ。初めて案を出したのが2013年の年末のことなので、生まれてかれこれ7年半くらいの付き合いになる。もうそんなに経つのかとちょっとびっくりするくらいだ。道理で歳取る筈よ。

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2015~16年頃の絵。流石に2013年当時の絵は残ってなかった。ちなみに隣の女の子は実際の妹をモデルにして作ったキャラ

 コンセプトがもし自分がFEのユニットになったらというものなので、当時の俺そのものをモデルに忠実に再現しつつ、憧れを詰めて作ったいわば自分の分身ともいえる非常に思い入れのあるキャラクターだ。設定上でも見た目は厳つく、ヘタレだったり口下手だったり無愛想だったりと、モブらしく決して主人公という柄ではないのだが、自己投影という点ではこれ以上相応しいキャラはおらず、このテンナというキャラを作ってからは自分そのものとして扱ってきた。何故か「薔薇王」とかいう渾名がつきフォロワーの男自キャラたちを喰い散らかしていたのはいい思い出だ……(黒歴史ともいう)

 

 話が逸れたが今回はこのテンナをキャラクリで再現してみることにした。そして完成したのが、これ。

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 いや再現度高すぎんか???

 しかもなんかイケメン。おかしい。元設定ではこんな顔面偏差値高くないはずなのに。ただの目つき悪いヘタレなのに。

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 やばい。完全に好み。

 このテンナちょっと主人公補正かかってるかもしれない。しかしこんなキャラが主人公で操作できるゲームなんて、楽しくないわけがない。

 そしていざ遊んでみると……

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 いや無理。かっこよすぎてしんどい。キャラクリ主人公が一番の推しってどういうこと???
 キャラクリ主人公なので、一応ボイスはあるがほとんど喋らない。が、そういうところもテンナと解釈一致だし、表情は豊かなので生きてるって感じもする。そしてちゃんと「主人公」している。すごい。確かにそこに「テンナ」がいるのだ。

 一緒に戦う仲間たちも美男美女揃いなので、そういったキャラたちとの絡みも非常に眼福である。戦いの中で大切な仲間と護り護られる関係……いいやん……

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左からCV石川界人梅原裕一郎鳥海浩輔 何だこのイケボ集団

 使用武器も片手剣、両手剣、斧槍、槌、銃剣とわりと豊富。元設定ではテンナはFEでいう兵士という兵種で槍を扱うのだが、それも再現できる。本当にテンナが動いているとしか思えない。

 肝心のゲームとしては結構ハードなプレイ感。アクションゲームに触れてこなかったというのもあるかもしれないが、とにかく死にまくる。だがこのゲームは死んだらゲームオーバーというわけではなく、チェックポイントに戻されるだけですぐに死ぬ前の状態で再開できるので、いわゆる「死にゲー」という何度も何度もやり直しながら進めていくタイプのシステムになっている。なので難易度は少々高くてもゴリ押しで何とか進める。あと死ぬ度に仲間が「俺がついていながら、すまん……!」とか「目覚めたか?」とか気遣ってくれるセリフをかけてくれるので、それを聴くのも楽しい。

 ストーリーは個人差があると思うが、俺は結構好きというか、今のところは面白いと思う。主人公がわりとキーパーソンで、活躍するのでそれだけで満足しているところがあるかもしれない。俺TUEEEが嫌いな人はどうかな。まあそういう人はキャラクリゲーやらないのかもだが。システムや用語、世界観も独特なので慣れるまで苦労するかもしれない。

 とにかく、自創作キャラの再現度の高さという点においてずば抜けて評価できるというだけで、このゲームは間違いなく神ゲーなのだ。少なくとも俺や、自創作キャラを愛でるのが好きな人にとっては。

 試しに他の自創作キャラも作ってみた。だが一部キャラ以外しっくり来なかったので、今回たまたま絵のタッチとカスタマイズパーツがテンナと相性バッチリだったというだけという可能性もある。

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【パブロフと犬】の裕太

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【パブロフと犬】の昌也。今回試した中では一番再現度高かった

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夢魔様は僕のペット】の真人

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夢魔様は僕のペット】のクロセル

 ……ま、まあ元々こいつら戦うキャラじゃないし……(目逸らし)

 

 ということで最近はもっぱらCODEVEINでテンナという名の推しを眺めて自己愛を高める日々である。このゲームがいかに面白いかというよりただただ自創作キャラを褒める記事になってしまったが、もし興味が湧いた方はやってみるといい。映像も綺麗だしキャラゲーとしては楽しいので。ちょっとロードは長いけど。

 

CODE VEIN | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

 

 本当にマジでプレイの腕がクソ雑魚なので最早キャラ愛だけで進めてるところはあるけど楽しいよ。

という夢を見た 2

 今日見た夢の話をしようと思う。何故かというとちょっと面白かったし、こんな夢を見たのは初めてだったからだ。

 

 今日見た夢の中で、俺には男にしかついていないモノがついていた。そう、ち○こが。

 ただ、完全に男の身体だったのかというとわからない。でもその夢の中で、彼女らしき女性とHをしていた。

 先に何か他の夢を見てから(そっちの内容は完全に忘れた)突然始まったので途中からなのだが、寝る俺の上に彼女が乗っていて、「攻めるのと攻められるのとどっちがいい?」とか訊かれて俺が答えたらそのとおりにしてくれたりして、どんな容姿かはおぼろげでわからなかったが、かわいくて従順?な女の子だった。

 だけどどうにも俺の息子は反応が悪くて、時折まごついたりしながらようやく挿入に至り、体勢を変え彼女の背中を見下ろす形で、ついに快感がピークに達した。出る、と思った瞬間、放たれた液体は白じゃなく黄色だった。出したのは精液でなく小便だった。

 放尿しながら俺は信じられない気持ちと絶望的な気持ちで「終わった」とか「やっぱり俺は完全な男にはなれないんだ」だとか考えていた。せっかくち○こも優しい彼女も手に入れたのに、夢ですらそんな劣等感味わわなきゃいけないとかどんなだ。

 その後俺は完全に何もかも終わった気持ちで彼女に「ごめん。帰っていいよ」と言いつつ汚れた床を掃除していた。何でか後から他の誰かわからない男が2人くらい加わって一緒に掃除始めてた(夢なのでおかしな展開も許される)。彼女が何か喋ってたかは憶えてないが、なぜか彼女は帰ろうとせず、俺が掃除する間他の男と「お前帰れよ(男)」「なんでそんなこと言われなきゃなんないの(彼女)」みたいな会話を脇でずっとしていた。そばに立っている彼女に居心地の悪さを感じながら、惨めな気持ちで俺はずっと掃除を続けた。……というところで夢は途切れた。

 衝撃的な内容過ぎてわりと鮮明に憶えている。思い出すと今でも泣けてくる。

 だけど彼女はやらかした俺に怒るでも軽蔑するでもなく、出ていくこともせずずっとそこにいて、むしろ他の人間にさっさと帰れば?みたいなこと言われたことに対して怒っていた。でも俺はとにかく床掃除に夢中だった。もしかして、彼女は俺を見捨ててもなんでもいなかったのに、俺が勝手に終わったと思いこんで拒絶してたんじゃないかと夢から覚めて思う。そんなこと夢の中では考える余裕なんざないが。

 でも俺という人間はそうやって人からの好意や肯定的な反応を素直に受け取れず、勝手に壁を作って他人を遠ざけ続けて生きているのかもしれないと思った。今までもこれからも。

 そう考えると今の精神状態を明確に表した夢だったのかもしれない。

 

 ちなみに夢占いでは「Hする夢」は性的欲求が高まっていることの他に、良いことが起こる予兆とかエネルギーが高まっている証らしいのだが、それが失敗したり辛いものだと逆に、これから挑戦しようとしていることが失敗する兆候とか集中力がなくなるとかいうまったく良くない暗示になるらしい。

 ……夢の中でくらいいい気分にしてくれたっていいだろ(泣)

創作小話:創作BLタイトルの由来語りと色々

 ふと思い立ったので、今現在、支部で連載している創作BL各シリーズの題名の由来について振り返ってみる。あまり創作についての話もブログでできていないし。

 

 でも別に深い意味とかは込められてないので暇つぶしくらいに読むのがちょうどいいです。ついでに各作品の小話なんかもしていこうかな。

 

 

【ヤリチン男子の×××】

 

 ヤリチン陽キャ男子がオタク陰キャ男子に逆恨みでレ○プされ雌堕ちする話。

 タイトルで内容が一目瞭然なのを意識してつけたので、まんま。執筆当初は×××の後に「日記」という文言がくっついていた。「×××」の部分には「肉便器」って入れるつもりでした。つまり、元のタイトルは「ヤリチン男子の肉便器日記」だったわけです。センスも情緒もねえ。ですが敢えて伏せることでそのまま書くよりポップでキャッチーになるかな……という魂胆の元に今の形になりました。

 すっかり更新が滞ってしまっているけど、先の展開も考えつつ、設定もストーリーも洋介も隈井も気に入ってるのでまた機会があればいつか続きを書きたいなと思ってます。古い作品で恥ずかしさもあるのですが、今でもあんなのでも少しずつ反応を頂いています。嬉しいことに……

 陰キャ×陽キャっていいよね。全人類好きだと思う。

 

【幼馴染がメスイキさせろと言い出した件。】

 

 フツメンちょいヤン男子が幼馴染のイケメンでヤリチンの悪友に「お前のち○こでメスイキさせてくれ!」と泣きつかれてノリでヤッちゃう話。

 タイトルで内容が一目瞭然part2。あまりにそのまま過ぎて特に言うこともないんだけど、しいていうなら「~な件」みたいなラノベタイトルよく見るなと思って、内容の軽さに合わせてタイトルもとっつきやすさを意識して考えました。この作品はとにかく会話文(登場人物のセリフ)をいつもの執筆スタイルより多めに、手短に、ノリとテンポを重視して書いたので、あまり重くてわかりづらい捻ったタイトルだと合わないので。

 この作品はとにかく支部の反応が良くて、いかに会話文多いのとハート喘ぎと淫語喘ぎが人気あるかということを証明してくれました。わかる、俺も好き。頭ゆるい2人書くのめちゃくちゃ楽しいし楽なので、また機会があれば続きを書きたいです(2度目)。地味にお気に入りなので、大賀兄の掘り下げもしたい。

 ちなみに幼馴染設定と長年片想い設定も大好物です。うちの創作CPは大体受けからの愛情が重い。

 

夢魔様は僕のペット】

 

 少々偏屈だけど優しいインテリ男子が、突如現れた男の見た目でま○こがついてる(しかついてない)オレ様夢魔に「お前の精液飲まないと死ぬから精液よこせ」と押しかけられて共同生活を始める話。

 そのまま主人公であり攻めの真人が、精液の提供によって、受けであり夢魔のクロセルを「飼う」話なので「夢魔様は僕のペット」です。これはもうあまり悩まず、直感であっという間に決まりました。ところで2話で早速「きみをペットだなんて思ったことはないよ」と真人自身の口でタイトル否定されてしまっているのですがそれは……まあ深く考えず……(浅はかな人間の発言)

 夢魔様はメインの真人×クロセル、脇のレライエ×清澄のエピソードを同時並行で進めていくつもりなので、このタイトルはレライエ×清澄にとっても他人事ではありません。今は「俺は夢魔様のペット」な清澄ですが、今後はどうなることやら。

 穏やか攻めとオラオラ受けってだいぶニッチだなあと思いますが、この組み合わせ死ぬほど好きなので推したいCPです。

 余談ですが夢魔様1話の作業BGMはブリトニー・スピアーズの「Toxic」です。聴き始めはたまたまYouTubeで流れてきたからですが、真クロのイメソンにしていいくらい歌詞が真クロ過ぎてリピートから抜け出せませんでした。「自分が毒だってわかってる?」って部分、真人→クロセルにもクロセル→真人にも聞こえて最高にエモいと思いませんか。触れたら自分がダメになるとわかっていても触れられずにはいられない、理性と欲望の狭間でお互いを求める真クロにピッタリな曲なので、是非聴いた後にもう一度夢魔様を読み直してみてください。

 

【暴君ホストは、夜に舞う】

 

 平凡な新人ボーイがNo.1性悪俺様ホストや極道の若頭である兄にいびられたり溺愛されたりする話。

 きらびやかな夜の世界が舞台、そしてこの作品は自分なりに大衆向けを意識しながら1話完結&王道ストーリーを目指したので、正統派なタイトルにしたく、恐ろしく美形でNo.1ホストでありながら俺様なルイを表すために蝶のように「舞う」というワードを入れました。おわかりかと思いますがルイという人間をそのまま表現したタイトルです。後半のヤクザ相手に暴れるルイの姿は、まさしくネオンに照らされきらびやかに舞う蝶のようだったのではないかなと思います。とかクサいことを言ってみる。

 大衆向けなので、大好きなハート喘ぎも我慢したし珍しく受け視点な作品です。

 ルイのキャラも新悟のキャラも喋らせるのが楽しいし、まだくっついたわけじゃないし、誠悟のことももっと書きたいのでこれも機会があればいつか続きを(ry

 

【俺とアイツのボーダーレス】

 

 ちょいヤンなクール男子が幼馴染の大型わんこに突然恋心を打ち明けられて悩みつつも流される話。

 これは執筆が古すぎて記憶が定かでないのですが、たしか2つの意味があって、1つは俺(光哉)とアイツ(夏嗣)の間にある境界線(ボーダー)が無くなるという意味、もう1つは2人の中にある「友達と恋人の境界線」を越えて恋人になるという意味を込めたように記憶しています。

 光哉にとっては夏嗣はただの幼馴染であり友達、だけど夏嗣にとっては光哉は幼馴染ではあるものの友達の域を超えた感情を抱く相手。夏嗣が勇気を振り絞った結果、光哉も夏嗣をただの友達とは思えなくなる、あるいは夏嗣が特別なのだと自覚するに至る……そんな物語を書きたかった。打ち切り状態になってしまったのが悲しい。何せインターネットを始めたばかりの頃、自分の作品を見てもらいたくて開いた古のサイトに連載していたものなので……本当に勿体ないことするなぁ自分。

 夏嗣は光ちゃんのことになると人が変わるし、光哉は夏嗣には甘いしチョロい子です。登場したての三好(みよし)はわけわからん宇宙人です。あの頃は何考えてるかわからない美形攻めがブームでした。いや今もか。

 

【たとえ世界が滅びたってお前と番になるもんか】

 

 オメガバースの世界で、友情を守りたかった一組のαとΩの話。

 このタイトルは先天性Ω(生まれながらのΩ)である大和と後天性(1年前にβから変転した)αの貴嗣、2人の願いであり叫びです。

 人類が滅びて自分たちだけが生き残り、互いが唯一の異性だったとしても、絶対に互いを番にはしないしセックスもしない、という決意が、2人の共通認識としてあった。幼い頃からΩとして理不尽な目に遭うことの多かった大和は、幼馴染でもあり自分を唯一「普通の男友達」として扱う貴嗣を信頼していた。彼がαと診断を受けた後も、その信頼は揺らがなかった。対する貴嗣も大和を気のいい親友として思っており、そこには恋愛感情などない筈だった。

「なあ――嗣、お前俺とヤれる?」
「どう頑張っても、おまえのことは男友達としか見れん」

「だよなぁ……俺もだわ」

 こんな会話を交わしていた2人。だが大和のヒートによってその認識に亀裂が入ってしまう。自制を失い、野犬にまで襲われ発情してしまう大和を目の当たりにし、貴嗣は彼を救うために自分の手で大和のヒートを治めようとする。

 発情に苦しみながらも大和はたった1人の理解者であり親友の貴嗣とだけはセックスしたくない、もししてしまえば2人の友情が壊れてしまう、セックスするくらいなら野犬に身体を拓かれるか死ぬほうがマシだと言い放つ。だが貴嗣は「友」を救うため、生かすために自分が憎まれ役を買って出ることを選ぶ。苦しむ大和をこれ以上見たくない、それならばいっそ自分が番になろう――と覚悟を決めるのだった。

 「世紀末オメガバース」という設定を盛り込みつつ、友情をテーマにした作品です。恋をして、告白をして、セックスをして、結ばれてハッピーエンド、だけが人間の愛の形ではないのではないかと思っています。理性もあるし、もちろん本能もあるし、そもそも愛情と友情の違いってなんだろう、肉体的欲求があるかないかだけが、愛かそうでないかなんだろうか? と、自分が日々考えていることを形にできたので、テーマがいまいち活かしきれてないとか支離滅裂だとか省みる点はありますが、作者的にはとてもよく書けたなぁとお気に入りの一作になっております。

 結果的に大和と貴嗣が抱く「友情の形」は違ったわけですが、番になっても、互いを異性として認識しても、永遠に2人の友情は変わりません。

 読み切りとして書いた作品なので続きは考えていませんが、後日談的なものは考えているのでそのうち書けたら良いなと思います。お気に入り過ぎて長文語りしてしまった……閲覧数や評価はあまり伸びませんでしたがものすごい好きなんです。本当に。

 

【奴隷ヨハンの下剋上

 

 盗みを働きながら貧しい暮らしをしていた顔だけはいいクズ男が、貴族に小間使いとして雇われて快適な生活を手に入れたものの、竿奴隷として毎晩主人の性欲処理に付き合う羽目になりなんとか主人に一泡吹かせてやろうと目論む話。

 タイトルで内容が一目瞭然part3。インパクト重視でバシッと読者の心を掴む題名にしたかった。奴隷というほど扱いは悪くないのですが、ヨハン自身がそう思っているので奴隷ヨハンが主人アルベルトに下剋上する内容をそのままタイトルにしました。何気に登場人物の名前がタイトルに入っているのはこれが初めてなので、今風な感じ出てるかなとまあまあ気に入っています。ダサさは否めないけど。

 自分が好きな中世ヨーロッパぽい雰囲気の設定でずっとBLを書きたかった。現代感をなるべく消せるように、あえて回りくどい言い回しをしたりして空気感を壊さないようにしているのですが、作者がアホなせいでめちゃくちゃ難産です。とはいいつつ書き甲斐のある作品でもあります。早期完結を目指して今めちゃくちゃ頑張って書いているので、最終話でちゃんとヨハンがアルベルトを下剋上できるのか、見届けてください。

 

【パブロフと犬】

 

 中性的で気弱ないじめられっ子の男子が、憧れのクーデレ乙女男子に雄として調教されながら徐々に心を通わせていく話。

 前提として、裕太はもちろん昌也も自身を「犬」のようだと思いこんでいます。心を許した相手に従順で、尻尾を振って好意を示す犬。それもかの有名な「パブロフの犬」だと。

 パブロフの犬とはロシアの生物学者イワン・パブロフが行った実験によって発見された、犬に対してベルを鳴らし餌を与えるという行為を続けるとやがて犬はベルを鳴らしただけで涎を垂らすようになる、という条件反射の例えのこと。まさに自分はそのパブロフの犬だと自覚を持ちながら、2人は恋人ともセフレともいえない関係を続けます。

 タイトルがパブロフ「の」犬ではなくパブロフ「と」犬なのは、裕太と昌也2人の関係が、実験のためにベルを鳴らし餌を与え続けたパブロフと、餌が貰えると信じ涎を垂らす、そう調教された犬の関係そのものに当てはまるから。フォーカスすべきは条件反射そのものではなく、「調教する飼い主と調教される犬」という関係性、そんな意味がこもっています。一応主人公というか語り手は裕太なので「裕太=犬」というイメージが強いのですが、昌也視点だと……果たして一体どちらが犬なのか。

 この作品はすれ違いがテーマなのですが、互いに自分を調教される憐れな犬だと思い込みながら、臆病心から核心に迫る話をしないまま、一緒の時間を過ごします。恋は盲目という言葉どおり高校時代は2人だけの世界で生きていたのでよかったけど、大学に進んでからはそうもいかなくなる。何故なら周囲の人間も立ち位置も環境も何もかもが変わり、互いさえいればいいという状況でなくなってしまったから。

 新キャラであり裕太の旧友である蓮の介入により、2人は初めて「自分たちがいかに盲目だったか」を思い知り、目を背け続けてきた現実に向き合うことを決意します。その選択の行く末がハッピーエンドになるかバッドエンドになるかはわかりませんが、ようやく自分たちの関係を客観的に見つめ直す機会に恵まれた裕太と昌也がどんな未来に向かうのか、結末は2人次第です。……いやもうanotherでネタバレしちゃってるので引っ張っても意味はないんだけどね!!!

 ちなみに、両想いだとわかった前と後って言うのが面倒なので、#5~6slaveにて蓮絡みで喧嘩して昌也の考えが変わった出来事を「昌也事変」、#2anotherで昌也が裕太を好きだと裕太がようやく知った出来事を「裕太事変」と呼ぶことにしています。この回が2人の大きな転機というわけですね。

 あと普段キャラの名前について、意味とか由来とかはあまり考えず、キャラのイメージに合うような実在の名前から探すというつけ方をしていて、ゆうあきについても大体そんな感じですが、一応「高見」という名字は「高みの見物」から、「裕太」という名前は「ゆう~」とつくとふわっとした感じになるかと思い、気弱なキャラに合うよう考えました。あとは本当に適当……いや直感です。今となってはこれ以外ありえないと思えるので不思議ですね。

 そのうちゆうあきについての考察的な記事もあげられたらなと思います。この作品は反応とかコメントをいただく機会も多く、それだけ2人が愛されているんだなと思うと嬉しいです。

 

・・・

 

 ゆうあきだけでなくどのCPも思い出深く、愛すべき創作たちなので、応援していただけるととても嬉しいです。ここまでお読みいただいた方は、是非これまでの作品をまた読み返してみてください。亀更新どころか生死不明くらいの更新頻度ですが、書き続けられるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。

 それでは。

無題

 今日、会社の車で事故を起こした。

 介護の仕事を始めてもうすぐ半年、送迎中の出来事だ。

 完全に俺の過失。100対0でこちらが悪い。なんでこんなしょうもない事故起こしてしまったんだろうと後悔しても遅い。

 

 会社にも、相手方にも迷惑をかけてしまった。車の運転にもようやく慣れ始めてきた頃だったのに。やっぱり俺は生きてちゃいけなかったとか、どれだけ頑張っても出来たつもりでも何にもできなくて所詮失敗しかできない人間だとか、いよいよこれ以上他人に迷惑かける前に死ななきゃとか、色々考えた。今も考えている。何度も何度も事故の瞬間を思い出しては息苦しくなる。情けなくて悔しくて自分が憎くて仕方がない。

 

 だけど、いくら逃げたいと思っても逃げることなんかできないし、逃げたらもっと会社にも迷惑をかけてしまう。俺の死ごときで起こした事故が許されるわけでも、帳消しになるわけでもない。

 だからすべきなのは、今後二度と同じ事故を繰り返さず、誠意を持って働き続けることなんだろう。逃げずに向き合わなければならない。

 

 明日が来るのが怖い。

 出勤するのが怖い。

 相手方や職場の人と顔を合わせるのが怖い。

 仕事をするのが怖い。

 車を運転するのが怖い。

 失敗するのが怖い。

 迷惑や手間をかけさせるのが怖い。

 生きていくのが怖い。

 何もかも投げ出して消え去りたい。

 

 でもできない。自分のしたことを噛み締めて受け入れて省みていかなきゃならない。

 

 会社からも人生からも抜け出せない俺にできることはそれ以外にない。たとえどれだけ怖かろうと嫌だろうと、逃げるという選択肢はどこにもないのだ。

劇場版鬼滅観てきた

※解説ではなく感想です。ほんのりネタバレがありますのでご注意ください

 

 

 本日予定が何もなかったので、席をとり、公開中の「鬼滅の刃 無限列車編」を鑑賞してきた。

 鬼滅の刃は漫画で1巻だけ読んで、自分には合わなそうだなと思ったので読むのをやめてから、しばらく後TVでアニメがやっていたので、父と一緒に全話観た。なので一応映画までの流れは把握済みだ。今日は見事にハマった父の付き添いみたいなもので朝一で映画館へ向かった。

 そもそも映画館で映画を観ること自体、実に19年ぶり。記憶に残ってるのは、小さい頃に連れて行ってもらった千と千尋の神隠しだけだ。本当に映画館というものに縁がなかった。観たいものがあればDVDレンタルが出て観ればいいし、料金を払ってまで観たい作品がそもそもなかった。勿論、家のテレビとスクリーンでは見応えがまったく違うとはわかっているが、わざわざ映画館に足を運んで観たいという欲が湧かなかったのだ。

 が、今回、何を思ったか観に行くことになった。ちょうど料金が安くなる日だったのでちょっとお得だった。

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 映画館に入るとまず内装の綺麗さに驚いた。受付だけでチケットの元取れるレベル。馴染みがない分、感動もひとしおである。しっかりと検温をしてもらい、中に入り、約2時間大きなスクリーンと立体音響で映画を堪能した。

 19年前の記憶などほとんどないに等しい。最初の5分で、感極まるあまり泣きそうになった。映画の内容ではなく、「映画館で映画を観る」という素晴らしさに。

 映像が凄い。音が凄い。迫力も臨場感も凄い。声優さんの演技も凄い。映画って、映画館の大きなスクリーンで観ることを前提に作られているんだなと実感した。俺は元々アニメを観るのが好きなので当然っちゃ当然だが、アニメだからこそ楽しめた部分もあり、アニメだからこその映像美、よりリアルな緻密な描写を100%楽しむことができた。

 

 映画館を出てその足で向かったのが、ゲームセンター。

 計3軒ものゲーセンを巡り、手に入れたものがコレ。

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 煉獄さんのジャンボぬい。

 

 そう、ものの2時間で俺は見事に彼に心を掴まれた。ガッツリと。

 むしろあんな生き様を見せられて好きにならない人おらんくね??

 

 アニメ本編では最後に少し出てきただけだったので、なんとなく「あーこのキャラ好きかもな~」くらいにしか思ってなかった。(ちなみに本編では伊之助がいいなと思ってた)むしろ融通の利かなさが見えて、ちょっと扱いにくいタイプなのかなとすら思っていた。

 豪胆で兄貴分って感じのキャラに弱い自覚はある。ので、好きになりそうな予感は若干あったが、予想とは別ベクトルの情緒が俺を襲った。

 なんだこの人は。格好よくて強いだけじゃなく、面倒見の良さに正義感の強さに第一印象からは見当もつかないような仄暗い家庭環境に聖母のような慈愛まで兼ね備えているのか? そんな芯の通った人が、こんなにも早くいなくなってしまうのか。もっと炭治郎たちに教えられることがあったはずなのに。だけど彼は決して犬死したのではなく、彼の信念に従い、正義のため、人のために戦い抜いた。そして勝った。

 人より少し強く生まれたから人のために生きろ、ってものすごく酷な言葉のように聞こえる。人一人の人生が、人のためだけにあっていいものなのか。でも彼は、母の言葉を恨むこともなく、自分の使命、自分の信念として受け入れた上で、兄として弟を守り、鬼殺隊として民を守り、柱として後輩隊士を導いた。それなりの苦悩もあったかもしれないが、彼は役目を果たした。殉死が必ずしも立派であるとは一概には言えないが、煉獄さんは戦いの果ての死に後悔をしていなかった。それがすべてだと思う。

 (あと寝顔と笑顔あどけなくてかわいい。一見オールバックなのにハーフアップぽい髪型なのも好き)

 

 伊之助も活躍してくれてよかった。伊之助は野生児なのに、ちゃんと人の心配ができるし人のために泣けるいい子なのがいい。松岡さんの命削るようなアフレコも最高。結構グッズとかでは猪頭外してるイラストが多いけど、個人的には被ってるままのほうが好きなんだよなぁ。

そしてこの無限列車編、アニメの映画化によくある映画オリジナルストーリーではなく原作に沿った構成らしいので、「オリジナル展開でみんな活躍して無事でハッピーエンド!」とはいかず、任務は果たしたけれど手放しに喜べない、完全なハッピーエンドとはいえない。そこがまたいいのだと思う。余計な茶々を入れず、原作のストーリーを最高の環境で制作したという感じ。故に煉獄杏寿郎という男が200億の男と呼ばれた。あれだけの見せ場があってなるべくしてなったんだろう。

 漫画は未読なので、映画を観るまで無限列車編のストーリーも知らず、今後の展開も何も知らないのだが、知らないながら、炭治郎たち新米隊士が己の力不足に打ちひしがれ、壁にぶつかりながら、涙を流しながら、それでも歯を食いしばって成長していくんだなあという予感が生まれて、鑑賞後は苦々しい思いも残りながら彼らの戦いが無駄なものじゃなく、意味があるものだと強く思えた。

 いやにわかが何知った口きいてんだと怒られそうなもんだけど。本当に感動したのでこの感動を吐き出したかった。一緒に観に行った肝心の父は「禰豆子ちゃんの出番が少なくて残念やったなぁ」とかぬかしやがったので多分俺が何を語っても右から左だろう。アニメ視聴後と映画視聴後で完全に熱量が入れ替わってしまった。

 

 それで、まんまと煉獄さんにハマった俺はまず映画館と同じ商業施設に入ってるゲームセンターに行ったのだが、何故か鬼滅のクレーンゲームはあるものの煉獄さんのグッズだけが見当たらない。いくら探してもない。炭治郎や禰豆子や他の柱のグッズは並んでるのに。ぬいぐるみもフィギュアも缶バッジもない。

 これは映画を観た煉獄さんファンがそのままゲーセンに流れ、こぞって煉獄さんだけを狙うもんだから無くなってしまったのかもしれない……と予想。最初は何かあればな~という軽い気持ちで見に行ったものの、ここで火がついた俺は、それから近くのゲームセンターを転々とした。

 2軒目のゲーセンでは、小さいキーホルダーはあるが大きいサイズはない。ここまでくるともう小さい品物では満足できない。大きいサイズのぬいぐるみが欲しい!! そしてまた次のゲーセンへ。

 3軒目にしてようやく、煉獄さんのジャンボぬいオンリー台を発見……! めっちゃ歩いた。

 とはいうもののクレーンゲームなんて、人生で多分片手で数え足りるくらいしかやったことがない。経験もテクニックもない。案の定取れる気配がなく、ほんの数回で心が折れかけた。巷では色々と神テクニックでばんばかゲットする人がいるらしいが、こんなもんどうやって取るんだと。

 調べてみるとクレーンゲームにはいくつか台のタイプがあり、煉獄さんぬいが入ってた台はテクニック云々まったく関係なく、掴んでさえいれば確率で取れるか取れないが決まるものらしいと判明。つまりどう取ろうかとかは考えても無駄で、金を入れて景品を掴みさえすれば、あとはアームが途中で開かないことを祈るしかないのだ。

 それを知ってから、とにかく頭を正確に掴んで持ち上げ続けることだけを考えた。中途半端にやって諦めても意味がないので、アームが開かない確率を引くまで金を入れ続ける覚悟をした。普段グッズなんて買わないし、クレーンゲームもろくにやったことがない人間が、それくらい手に入れたかった。(映画鑑賞直後でちょっと冷静じゃなかったかもしれないが)

 そして3000円入れたところで、アームが開かないまま煉獄さんを出口まで運んでくれ無事にゲットすることができた。正確には余ったので2800円使ったところで来てくれた。最悪1万円は突っ込む覚悟をしていたので、案外早くアタリを引けてとてもラッキーだった。

 映画だけでお別れをするのはあまりに悲しかったので、なんとかして煉獄さんにうちに来てほしいという執念の勝ち。途中で諦めなくて本当によかった。これでずっと一緒だね……(ヤンデレ思考)

 

 結論、劇場版はアニメしか観てないにわかや新規勢でもとても楽しめるものだった。そして鬼滅の刃という作品をさらに好きにさせる、あるいは沼に引きずり込む素晴らしい内容だった。

 漫画は読まないかもだが、アニメ二期が制作されたら間違いなく観るだろうな。

 いや~、充実した一日だった。

さよならの話

 今朝、実家で世話していた猫が天国へ旅立った。

 ついこの間まで元気に動き回っていたのに。話によると、今朝玄関の近くで一鳴きしたと思えば、次にはもう目を開いたまま倒れて死んでいたらしい。

 突然のことだった、ように思う。死因はわからないが、心不全か何かだろうということだった。父と話し、庭に埋めることも考えたが、辛くて埋めきれないというのと、あまり整備された庭でもなく蛆でも湧いたら堪らないので、明日朝一で業者に引き取ってもらうことになった。

 

 ダンボール箱に入った、物言わぬ姿を見て、体に触れてみると当たり前だが硬かった。もう魂はそこにないのだから体は温かくないし、柔らかくもない。毛は柔らかいままでも、いくら撫でても喉を鳴らすこともなかった。

 俺はしばらくその箱の前から動けず、長いこと硬い体を撫でていた。だけど魂のない器を触り続けることに意味があるだろうかと思い、箱を閉じ、顔を洗い、もう悲しむのはやめにしようと心に決めて平静に振る舞った。

 突然ではあったが、10年は生きたし、昔と比べて痩せてきたなと思っていたし、もうあまり長くないのかもしれないとは思っていた。それが少し早まっただけだ。死は避けられない、誰にでも平等に訪れる。あの子も天国に行ったのだと信じ、これまでの感謝を述べる他ない。

 

 

 死んだ猫のことは「みけ」と呼んでいた。呼んでいた、というのは元々うちの猫ではなく、近所で飼われていた飼い猫の彼らを餌付けし、本名がわからないからと勝手にそう呼んで可愛がっていたからだ。

 出会いは10数年前。その頃は猫は2匹いて、それぞれメスを「みけ」オスを「くろ」と呼んでいた。2匹とも飼い猫なだけあり人懐こく、近くを通りかかった俺や親を愛らしい声で呼び、頭や体をすりつけてきた。

 猫たちはその家の娘さんが飼っていたらしいのだが、娘さんが亡くなり、両親が世話を始めたが、健康上の理由で次第に世話ができなくなってしまった。そして餌だけを置き家を離れ、猫たちが自由に出入りできるよう窓を開けていたが、地域柄野良猫も多く、勝手に入り込んだ野良猫たちに餌をすべて食われてしまうようだった。

 それを不憫に思ったうちの父が、2匹に餌をやり始めたのが始まりである。餌をあげだすと猫たちはだんだんとうちの前まで来るようになり、ついには家の中まで入ってくるようになった。この頃にはすっかりうちの猫のような感じで可愛がっていて、それを見た元の飼い主さんも「あそこの家で面倒みてくれんかなぁ」ということを言っていたらしい。これぞWin-Win

 「くろ」は本当に猫かと疑いたくなるほど人懐こく、ぐいぐい頭を押し付けてきて、家の中で寝せれば鼻息荒く顔面に飛び乗ってくるほど。

 それから早10年。先に天国へ旅立ったのは、オス猫「くろ」のほうだった。正確な歳はわからないものの、みけより歳は上だったし、最後はみるみるうちに痩せていき、もう長くないだろうと悟った。最後にはほぼ骨と皮だけの体でよろよろと歩き、ご飯も食べられず、粗相をしたり、見ていて痛々しかった。だからそれなりに心の準備というか覚悟はしていたし、最期はうちの家の前に置いていた、お気に入りの箱の中で看取られて死んだというから、よかったのかもしれない。それが2年前。

 

 「みけ」が死んだと聞いて、まず浮かんだのが「なんで?」だった。突然だったのだ。10年一緒に過ごしてすっかりおばあちゃんだとはわかっていたが、まだまだ生きると思っていたし、また会えると思っていた。何か病気に罹っていたんだろうか。最近えづくような仕草が多かったから、喉を詰まらせでもしたんだろうか。「猫 突然死」でググってみたりもした。そんなことに意味はないと知りながら。

 「死ぬ」ってこういうことなんだなと、くろが死んだときも思ったが、今回も思う。ぬくもりがなくなって、思い出が過去のものになって、そして、もう二度と触れることができなくなる。どんなに仕方がないとわかっていたって悲しいけれど、いつまでも引きずるのは猫のためにも俺のためにもならないだろう。猫たちはきっと今頃天国で再会して、仲良く遊んでいるはずだ。……いや、そういえばあいつら生前めちゃくちゃ仲悪かったから、元気に喧嘩してるかもしれない。それならそれでいいけど。

 今でもまだ、実家で俺を迎えてくれるんじゃないかとか、すぐ横で丸まってる体を撫でることができるんじゃないかとか、ゴロゴロ聞こえてくるんじゃないかと、ふと考えてしまう自分がいる。そのたびに叶わないことを知り、胸が塞がる。父は二度の看取りを経験し、「もうペットはいい」と言う。俺は、看取るまでが飼うということだと思うし、死ぬのが悲しいから飼いたくないなんて、今でもそうは思わない。猫は人生を豊かにしてくれる。2匹の猫は、俺にたくさんの幸福を与えてくれた。最初は違ったけれど、2匹は間違いなくうちの猫として生を終えてくれたのだ。これ以上の幸せはないだろう。

 だからしばらくは悲しいだろうけれど、少しずつ受け入れながら、日常に戻るよ。

 

 ありがとう。お疲れ様。

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あんまり写真が残ってなかった。もっと撮ってたらよかったなと、それだけが心残り

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生前のみけ(左)とくろ(右)。珍しく寄り添って寝ていたので感激して思わず撮った