妄想に生かされる

自分語り、BL、創作、性癖などを置いていく場所

劇場版鬼滅観てきた

※解説ではなく感想です。ほんのりネタバレがありますのでご注意ください

 

 

 本日予定が何もなかったので、席をとり、公開中の「鬼滅の刃 無限列車編」を鑑賞してきた。

 鬼滅の刃は漫画で1巻だけ読んで、自分には合わなそうだなと思ったので読むのをやめてから、しばらく後TVでアニメがやっていたので、父と一緒に全話観た。なので一応映画までの流れは把握済みだ。今日は見事にハマった父の付き添いみたいなもので朝一で映画館へ向かった。

 そもそも映画館で映画を観ること自体、実に19年ぶり。記憶に残ってるのは、小さい頃に連れて行ってもらった千と千尋の神隠しだけだ。本当に映画館というものに縁がなかった。観たいものがあればDVDレンタルが出て観ればいいし、料金を払ってまで観たい作品がそもそもなかった。勿論、家のテレビとスクリーンでは見応えがまったく違うとはわかっているが、わざわざ映画館に足を運んで観たいという欲が湧かなかったのだ。

 が、今回、何を思ったか観に行くことになった。ちょうど料金が安くなる日だったのでちょっとお得だった。

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 映画館に入るとまず内装の綺麗さに驚いた。受付だけでチケットの元取れるレベル。馴染みがない分、感動もひとしおである。しっかりと検温をしてもらい、中に入り、約2時間大きなスクリーンと立体音響で映画を堪能した。

 19年前の記憶などほとんどないに等しい。最初の5分で、感極まるあまり泣きそうになった。映画の内容ではなく、「映画館で映画を観る」という素晴らしさに。

 映像が凄い。音が凄い。迫力も臨場感も凄い。声優さんの演技も凄い。映画って、映画館の大きなスクリーンで観ることを前提に作られているんだなと実感した。俺は元々アニメを観るのが好きなので当然っちゃ当然だが、アニメだからこそ楽しめた部分もあり、アニメだからこその映像美、よりリアルな緻密な描写を100%楽しむことができた。

 

 映画館を出てその足で向かったのが、ゲームセンター。

 計3軒ものゲーセンを巡り、手に入れたものがコレ。

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 煉獄さんのジャンボぬい。

 

 そう、ものの2時間で俺は見事に彼に心を掴まれた。ガッツリと。

 むしろあんな生き様を見せられて好きにならない人おらんくね??

 

 アニメ本編では最後に少し出てきただけだったので、なんとなく「あーこのキャラ好きかもな~」くらいにしか思ってなかった。(ちなみに本編では伊之助がいいなと思ってた)むしろ融通の利かなさが見えて、ちょっと扱いにくいタイプなのかなとすら思っていた。

 豪胆で兄貴分って感じのキャラに弱い自覚はある。ので、好きになりそうな予感は若干あったが、予想とは別ベクトルの情緒が俺を襲った。

 なんだこの人は。格好よくて強いだけじゃなく、面倒見の良さに正義感の強さに第一印象からは見当もつかないような仄暗い家庭環境に聖母のような慈愛まで兼ね備えているのか? そんな芯の通った人が、こんなにも早くいなくなってしまうのか。もっと炭治郎たちに教えられることがあったはずなのに。だけど彼は決して犬死したのではなく、彼の信念に従い、正義のため、人のために戦い抜いた。そして勝った。

 人より少し強く生まれたから人のために生きろ、ってものすごく酷な言葉のように聞こえる。人一人の人生が、人のためだけにあっていいものなのか。でも彼は、母の言葉を恨むこともなく、自分の使命、自分の信念として受け入れた上で、兄として弟を守り、鬼殺隊として民を守り、柱として後輩隊士を導いた。それなりの苦悩もあったかもしれないが、彼は役目を果たした。殉死が必ずしも立派であるとは一概には言えないが、煉獄さんは戦いの果ての死に後悔をしていなかった。それがすべてだと思う。

 (あと寝顔と笑顔あどけなくてかわいい。一見オールバックなのにハーフアップぽい髪型なのも好き)

 

 伊之助も活躍してくれてよかった。伊之助は野生児なのに、ちゃんと人の心配ができるし人のために泣けるいい子なのがいい。松岡さんの命削るようなアフレコも最高。結構グッズとかでは猪頭外してるイラストが多いけど、個人的には被ってるままのほうが好きなんだよなぁ。

そしてこの無限列車編、アニメの映画化によくある映画オリジナルストーリーではなく原作に沿った構成らしいので、「オリジナル展開でみんな活躍して無事でハッピーエンド!」とはいかず、任務は果たしたけれど手放しに喜べない、完全なハッピーエンドとはいえない。そこがまたいいのだと思う。余計な茶々を入れず、原作のストーリーを最高の環境で制作したという感じ。故に煉獄杏寿郎という男が200億の男と呼ばれた。あれだけの見せ場があってなるべくしてなったんだろう。

 漫画は未読なので、映画を観るまで無限列車編のストーリーも知らず、今後の展開も何も知らないのだが、知らないながら、炭治郎たち新米隊士が己の力不足に打ちひしがれ、壁にぶつかりながら、涙を流しながら、それでも歯を食いしばって成長していくんだなあという予感が生まれて、鑑賞後は苦々しい思いも残りながら彼らの戦いが無駄なものじゃなく、意味があるものだと強く思えた。

 いやにわかが何知った口きいてんだと怒られそうなもんだけど。本当に感動したのでこの感動を吐き出したかった。一緒に観に行った肝心の父は「禰豆子ちゃんの出番が少なくて残念やったなぁ」とかぬかしやがったので多分俺が何を語っても右から左だろう。アニメ視聴後と映画視聴後で完全に熱量が入れ替わってしまった。

 

 それで、まんまと煉獄さんにハマった俺はまず映画館と同じ商業施設に入ってるゲームセンターに行ったのだが、何故か鬼滅のクレーンゲームはあるものの煉獄さんのグッズだけが見当たらない。いくら探してもない。炭治郎や禰豆子や他の柱のグッズは並んでるのに。ぬいぐるみもフィギュアも缶バッジもない。

 これは映画を観た煉獄さんファンがそのままゲーセンに流れ、こぞって煉獄さんだけを狙うもんだから無くなってしまったのかもしれない……と予想。最初は何かあればな~という軽い気持ちで見に行ったものの、ここで火がついた俺は、それから近くのゲームセンターを転々とした。

 2軒目のゲーセンでは、小さいキーホルダーはあるが大きいサイズはない。ここまでくるともう小さい品物では満足できない。大きいサイズのぬいぐるみが欲しい!! そしてまた次のゲーセンへ。

 3軒目にしてようやく、煉獄さんのジャンボぬいオンリー台を発見……! めっちゃ歩いた。

 とはいうもののクレーンゲームなんて、人生で多分片手で数え足りるくらいしかやったことがない。経験もテクニックもない。案の定取れる気配がなく、ほんの数回で心が折れかけた。巷では色々と神テクニックでばんばかゲットする人がいるらしいが、こんなもんどうやって取るんだと。

 調べてみるとクレーンゲームにはいくつか台のタイプがあり、煉獄さんぬいが入ってた台はテクニック云々まったく関係なく、掴んでさえいれば確率で取れるか取れないが決まるものらしいと判明。つまりどう取ろうかとかは考えても無駄で、金を入れて景品を掴みさえすれば、あとはアームが途中で開かないことを祈るしかないのだ。

 それを知ってから、とにかく頭を正確に掴んで持ち上げ続けることだけを考えた。中途半端にやって諦めても意味がないので、アームが開かない確率を引くまで金を入れ続ける覚悟をした。普段グッズなんて買わないし、クレーンゲームもろくにやったことがない人間が、それくらい手に入れたかった。(映画鑑賞直後でちょっと冷静じゃなかったかもしれないが)

 そして3000円入れたところで、アームが開かないまま煉獄さんを出口まで運んでくれ無事にゲットすることができた。正確には余ったので2800円使ったところで来てくれた。最悪1万円は突っ込む覚悟をしていたので、案外早くアタリを引けてとてもラッキーだった。

 映画だけでお別れをするのはあまりに悲しかったので、なんとかして煉獄さんにうちに来てほしいという執念の勝ち。途中で諦めなくて本当によかった。これでずっと一緒だね……(ヤンデレ思考)

 

 結論、劇場版はアニメしか観てないにわかや新規勢でもとても楽しめるものだった。そして鬼滅の刃という作品をさらに好きにさせる、あるいは沼に引きずり込む素晴らしい内容だった。

 漫画は読まないかもだが、アニメ二期が制作されたら間違いなく観るだろうな。

 いや~、充実した一日だった。