妄想に生かされる

自分語り、BL、創作、性癖などを置いていく場所

創作小話:Ωのゆい先輩

 創作BL「パブロフと犬」シリーズ。そのオメガバースパラレルストーリー「僕と君とアルファとオメガ」で登場した、オリジナルキャラ「ゆい先輩」。

 αの裕太を「運命の番(つがい)」と思い込み、何とか手に入れようと奮闘する、当て馬的立場のΩ女子。(当て馬って表現女子にも使うのかな)

 

 最初は名前も出てこない完全なモブだったのが、後半結構出張ってきて名前がないのは不便だということで、「ゆい」という名前だけ出てきました。

 裕太たちより2つ上の高3。身長は155~160cmくらいで高1裕太より少し高め。髪は長く茶系に染めている。全体的にゆるふわな感じの可愛い子。Ωとしての知名度はそこそこで、男子からもモテてそう。

 しかし初めてヒート(発情期)を迎えた際、フェロモンの影響を受けたβの集団から慰みものにされてしまった経験があるので、恋愛事などには興味がない……というより、嫌悪している。

 「運命の番」に憧れを抱いていて、いつかαの王子様が自分を迎えに来てくれると信じている。

 そんな折、新1年生の裕太がαらしいという噂を聞き、彼こそが運命だと思い込む。……という感じでしょうか。

 パブロフと犬は裕太と昌也の話なので、モブまたは当て馬とどちらかがくっつくなんて絶対にあってはならないこと。どういう背景を持った人間が現れても、そこが覆らない限り当て馬が報われることはほぼないけれど。

 現代社会にバース性という設定がそのまま輸入され、たった昨日今日適用されたようなオメガバースの世界観の中で、ゆい先輩みたいな人間はそう珍しくない気がする。し、作者としてゆい先輩のことはわりと気に入っている。かわいい。かわいそかわいい。だってゆい先輩は本当に裕太のことを運命の番だと信じて、ただ幸せになりたかっただけなんだ、やり方は強引だったかもしれないけれど。

 

 結果的に裕太はゆい先輩のαではなかったので、彼女の運命の番は別に存在するということだ。なので近い将来、運命の番と運命的な出逢いをして、あれよあれよとその人と家庭を作り、幸せになってほしい。

 その時こそ、彼女は確信する筈だ。「この人こそあたしの本物のαだ」と。

 幼稚園とか保育園とかでママ同士の集まりがあって、そこでゆいママと昌也ママが偶然顔合わせて「あーー!?」みたいなの、あったら面白いよね。

 ゆい先輩のαはいかにもなエリートαだと思うんですけど、男でもいいけど、バリバリのキャリアウーマンでもいいと思う。オメガバース百合も良い。俺はα女子にバッキバキち○ぽ備わっててほしい派。バリタチ女子良い。

 

 そういえば、同じく今回(case1~2)で初めて名前が出てきた「大津くん」。彼は本編時点で既に設定は固まっていて、いつ名前を出そうか考えていた人です。裕太をいじめていたけど、昌也の出現で手を引かざるを得なくなったいじめっ子。

 彼ともう1人、裕太にラブレターを送った君島さんについてもいつか掘り下げて話を書きたいなと思いつつ……まあ内容はゆうあきのイチャイチャっぷりを見せつけられてぐぬぬしてるだけになると思うけど。

 だからちょっと、case1で裕太がΩだった場合の突っかかり方が普通じゃない。とか。設定とかネタだけは溢れてる。

 

 オメガバースって本当に夢があるなぁと思います。元々設定自体好きだし、そこから独自の解釈を自由に加えられるというところも楽しい。

 昌也は大好きな旦那様と可愛い子供に囲まれて、大変だけどそれはそれは幸せな暮らしを送っていると思うし、裕太はαとしての責任や自分の価値を自覚して、愛する人達を守るために頑張ってると思う。そして、αとΩという性と向き合いながら、2人で生きていく。

 本編では決して有り得ない。でも2人にとっての、こういう幸せなんだろうな。どれが本当の幸せ、ではなく、いくつもある幸せの形のひとつ。書けて楽しかった。

 

 ところでゆい先輩と昌也って、好きな人には甘々で、思い込んだら一直線で、一途で、好き嫌いハッキリしてて、夢見る乙女なところ、わりと似てると思う。そういう子に好かれやすい体質なのか裕太って……?